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信長VS秀吉VS家康。我々凡人が見習うべきは誰?

大間違いの織田信長⑧ホトトギスの歌でわかる!? 誰が本当の天才か

異常なまでの忍耐の人家康

 一番真似できないのが秀吉ならば、次に真似できないのが家康です。

三英傑 徳川家康

 家康は精神力がすごいのですが、人格的に異常なところがありました。必要とあったら女房と子供を殺してしまう非情さは、異常としか言えません。ちなみに、女房の方は喜び勇んで殺してしまいましたが、子供の方は、最近異説は出ているものの、一応悩みに悩んで殺したそうです。

 それから、数十年単位の忍耐力がありました。織田の人質になり、今川の人質になり、武田信玄・勝頼に殴られ続け、信長に家来のようにいいように扱われ、信長が死んだと思ったら北条がもっと大きくなり、豊臣秀吉に頭を下げて……ということ五十九年積み上げて、ようやく天下を取ったのです。

 山岡荘八(そうはち)の『徳川家康』全二十六巻を読むと、二十一巻まで忍耐の話が続きます。読むのが大変なので、読者にも忍耐力がついてしまうという本です。家康の人生を追体験すると、本当にこんな感じで、七十五歳の人生で還暦まで忍耐の連続なのです。常に強大な敵と戦っていて、関ヶ原の戦いでもまだ石田方の方が多く、唯一自分の方が圧倒的兵力で攻めかかっているのは、大坂の陣だけです。ちなみに、そのときは珍しく楽勝してしまい、油断して自分が殺されそうになるというオマケ付きでした。

 ということで、家康は異常ではありますが、秀吉のように才能があったわけではなく、根性の人です。

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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