信長VS秀吉VS家康。我々凡人が見習うべきは誰?
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異常なまでの忍耐の人家康
一番真似できないのが秀吉ならば、次に真似できないのが家康です。
家康は精神力がすごいのですが、人格的に異常なところがありました。必要とあったら女房と子供を殺してしまう非情さは、異常としか言えません。ちなみに、女房の方は喜び勇んで殺してしまいましたが、子供の方は、最近異説は出ているものの、一応悩みに悩んで殺したそうです。
それから、数十年単位の忍耐力がありました。織田の人質になり、今川の人質になり、武田信玄・勝頼に殴られ続け、信長に家来のようにいいように扱われ、信長が死んだと思ったら北条がもっと大きくなり、豊臣秀吉に頭を下げて……ということ五十九年積み上げて、ようやく天下を取ったのです。
山岡荘八(そうはち)の『徳川家康』全二十六巻を読むと、二十一巻まで忍耐の話が続きます。読むのが大変なので、読者にも忍耐力がついてしまうという本です。家康の人生を追体験すると、本当にこんな感じで、七十五歳の人生で還暦まで忍耐の連続なのです。常に強大な敵と戦っていて、関ヶ原の戦いでもまだ石田方の方が多く、唯一自分の方が圧倒的兵力で攻めかかっているのは、大坂の陣だけです。ちなみに、そのときは珍しく楽勝してしまい、油断して自分が殺されそうになるというオマケ付きでした。
ということで、家康は異常ではありますが、秀吉のように才能があったわけではなく、根性の人です。